ピックアップ記事
ドミノ・ピザ、大量の唐辛子ピザ配達騒動 キャンペーン多発による疲弊が背景か・・・・・

 

 大量の激辛ハラピニオ(緑色の唐辛子)をのせたピザを配達したとして、物議を醸したドミノ・ピザ。このような騒動が起きた背景には、人手不足やキャンペーンの多発による現場の疲弊があるとみられることが、ねとらぼ編集部の取材で明らかになってきました。

【画像】実際に配達された大量の唐辛子ピザを見る

今回の騒動が注目されたのは、10月2日SNS上に投稿された、全体に激辛ハラピニオがちりばめられたピザの写真がきっかけでした。投稿者が「ドミノピザ注文したらサイズ間違えてたから電話したら作り直しますって言われて配達されたのがこれ、嫌がらせ?」という言葉とともに写真を投稿したところ、投稿は瞬く間に拡散されました。

ねとらぼ編集部では、投稿者および、運営元のドミノ・ピザ双方に取材し、翌日の10月3日に騒動についての記事を掲載しています。記事内では、投稿者が店舗の担当者から謝罪と返金を受け、ドミノ・ピザに対してこれ以上の社会的措置は不要と考えていることなどから、現在両者は和解にいたったと報じました。

一方で、今回の騒動が和解にいたったことは認めつつも、学生時代にドミノ・ピザ店舗でアルバイトを経験したことがある注文者(投稿者の友人)は、「このような問題が発生し得る店舗の労働環境を問題視してほしい」と訴えています。労働環境の問題とはどのようなものなのか。

注文者がドミノ・ピザに勤めていたのは約10年前であり、その主張の真意を確かめる必要があると考え、ねとらぼ編集部では注文者に加え、現役クルーにも取材しました(※)。

※現役クルーは本人が匿名を希望していること、また今後の店舗での継続的な労働に影響が生じる可能性を鑑み、記事内ではAさんと記載しています

ドミノ・ピザの元クルーである注文者の主張

注文者の主な主張は、今回の騒動が起きた背景には(1)店舗の人手不足と、(2)度重なるキャンペーンによる店舗への大きな負担があったのではあったのではないか、というものです。

(1)店舗の人手不足「社員の“サービス残業”をよく見かけた」

注文者はその時間帯の最高責任者かつ、ピザを作った社員(※)を非難するつもりはないことを強調。その後の返品・謝罪のやり取りをするなかで、担当者が経験不足であると感じられたこと、「実は僕が辛いのが好きなので、お待たせしちゃったので入れ過ぎちゃいました」と話していたことなどから、担当者には悪意がないことがあらゆる面で感じ取れたとしています。

ドミノ・ピザでは営業時間中は必ず、マネージャー、社員、AMIT(アルバイトの責任者)の誰かが勤務する決まりです

一方で注文者が問題視しているのは、深夜帯とはいえ、人手不足の影響で店舗の運営体制が不十分だったと考えられることです。店舗ではその時間帯の最高責任者と、カットトレーニングを受けたクルーが基準に基づき、出来あがったピザを採点する決まりです(※)。しかし、経験不足の社員がその時間帯の最高責任者を務めざるを得なかったため、そのようなストッパーが十分に機能していなかったのではないかと、注文者は指摘しています。

ドミノ・ピザでは、調理担当者はメイクラインモニターに表示されたオーダーを確認し、メイク台に材料をセットして、注文商品、トッピングの有無などを確認しつつピザを作ります。オーブンに入れる際にはメイクラインモニターを参照しながら、「何を何分で作った」と声に出して読み上げて確認する、というルールもあります

注文者が勤めていた約10年前から、すでに人手不足はあったようで、「私が働いていたころは『人件費が上がる』と本部からお叱りを受けるため、社員がタイムカードを切ってから働く様子をよく見かけました」と、当時は“サービス残業”が横行していたことも明かしました。

(2)度重なるキャンペーン「士気が下がるのは容易に想像がつく」

注文者は度重なるキャンペーンについて、「当時(約10年前)から『持ち帰りで1枚買うと、もう1枚無料になる』といったキャンペーンを実施していたと記憶しています。最近、同じような『1枚買うと2枚無料』キャンペーンを実施して、(1度目は)ピザの生地とピザボックスを切らして一部の店舗でオーダーストップという事態が起きていましたよね」と言及。

実際、同キャンペーンでは、6月末から7月初までに実施した1度目の際、「Lサイズプレーンピザを頼めば2000円でピザ3枚が手に入る」という裏技がSNS上で拡散し、注文が殺到。ピザの生地とピザボックスの供給が追いつかない状況になり、一部店舗で注文を受け付け停止する事態となりました。当時、「週刊文春」は現場が疲弊しており、従業員用SNSには「ドミノそろそろ誰か死んじゃいそう」という言葉も書き込まれたと報じています。

7月末に実施した2度目のキャンペーンでは、全店舗でのクルー増員、スポーツドリンクと塩あめを配給するなど十分な体制を整えるとしていたものの、「コロナ第7波の急拡大の影響で、急なクルーの欠員が出てしまう店舗もあり、人員体制がより厳しい状況」になったとして、ドミノ・ピザはキャンペーン終了後に反省の意を示しました。

注文者はこのような流れを踏まえ、「(2度目は)1番ユーザーに評価された店舗には1日の特別有給休暇(法定外有給休暇)がありましたが、それ以外の店舗は本部のせいで忙しくなっても特に見返りはなく、アルバイトも社員も士気が下がるのは容易に想像がつきます」と、今回ピザを作った社員を含む現役クルーたちに同情の声を漏らしています。

最後に注文者にドミノ・ピザへの思いを聞いたところ、「宅配ピザはここ10年ほぼドミノ・ピザしか頼んでおらず、企業としては好きです。すでに(店舗やドミノ・ピザから)謝罪・返金は受けているので、店舗名や担当者名を“晒す”気もなければ、本部から店員を叱ってほしいわけでもありません。ただ、店舗の労働環境を改善してあげてほしいです」と訴えました。

●現役クルーAさんによる証言

注文者が指摘したような(1)店舗の人手不足と、(2)度重なるキャンペーンによる店舗への大きな負担は本当に存在するのか。現役の店舗クルーであるAさんに取材したところ、両方とも存在するとみられることが明らかになりました。

(1)店舗の人手不足アルバイトさえ“サービス残業”を求められる」

Aさんは店舗の状況について、「圧倒的に人手不足です」と発言。キャンペーン実施中で店舗が大忙しではない状態でも、ランチ帯はアルバイト高校生大学生以外はほぼ強制出勤させられるとしています。

繁忙期やコロナ禍以降については、「特にクリスマスなど繁忙期にはシフトを強制的に入れられます。コロナ禍以降は出勤を強要されることが増え、ますます悪化しました」と振り返りました。

また、「日頃から社員の“サービス残業”はしょっちゅうで、アルバイトにさえ退勤してから手伝わせていることもあるほどです」と、Aさんが勤務する店舗での“サービス残業”の実態についても話しています。

(2)度重なるキャンペーン「現場は反対やイラつきの声だらけ」

度重なるキャンペーンについては、「疲れました。キャンペーン中、特に土日は強制出勤です。本部はろくに対応してくれず、現場は本来は受けるべきではないクレームを受けてばかりでストレスを抱えています」と心情を吐露。

現場でのキャンペーンについての声を聞くと、「キャンペーン中、現場から聞こえてくるのは反対やイラつきの声だらけです」と明かしました。

特に、「1枚買うと2枚無料」キャンペーンについては、「2度目のときに本部が労いとして渡してきたのは炭酸水やお茶ぐらいでした(※)。(1番評価された店舗には特別有給休暇が付与されましたが)自分たちは何も対応されていません。本部の対応には誰も納得していないと思います」と、怒りを込めて語っています。

ドミノ・ピザは2度目のキャンペーン時には暑さ対策として、塩あめと一口サイズチョコを全店舗に配給。一方で、全店舗に配布予定だったスポーツドリンクは仕入れ先の在庫が厳しく、全店に行き届かず、炭酸水やお茶に切り替えた店舗もあったとしています

●現役クルーの声「もうやめてくれ」「控えめに言って地獄」

取材後の10月21日ドミノ・ピザは「1枚買うと2枚無料」の3度目を実施することと、これまでの反省を踏まえて、すでに8月からキャンペーンの準備を開始しており、全店舗でクルーをさらに30%増員するなどの対策を講じることを発表しました。

ねとらぼ編集部が同キャンペーンおよび対策についての記事を掲載してツイートすると、現役クルーとみられるユーザーたちから、引用リツイートやリプの形でさまざまな声が寄せられました。

現役クルーとみられるユーザーたちの声を拾い上げると、「まぁ二回目死ぬほど暇だったし今回もそれくらいのことを祈る」という声もある一方で、ほとんどは悲痛な叫びであることが分かります

・「前回スポドリすら貰えなかったしもうやめてくれ 」

・「ドミノトライアルウィーク初回とリベンジどっちも結構入ってたけど/報賞なんか貰ってない/クルー増員(来るかも分からんデリ慣れしてないバカ遅い日雇い)/リベンジも結局配達依頼受付停止/初注文のくそみたいな問い合わせの数々」

・「大丈夫なわけねーだろーが。こっちの苦労も考えないで上のやつが都合いいことばっか言うなって」

・「コレ、やらされる身になると控えめに言って地獄なんですよね 2回目のとき勤務してたが 全部大体3枚になるから…3枚って 重くて」

・「早く届けないとお客様に文句を言われる しかし30km以上出すとGPSでバレて速度違反者として記録が残る 意味分からない」

また、元クルーとみられるユーザーからも「ドミノピザアルバイト辞めてよかったです」「元職場からSOSコールが止まりません」「本当に学ばねえなこの会社(元クルー)」などの声が寄せられています。

3度目となる「1枚買うと2枚無料」は10月30日まで実施されます。はたして、今回は店舗の人手不足やキャンペーン時の負担を解消し、“大量の唐辛子をのせたピザ配達騒動”のような現場のミスを誘発しないで済むのか。ドミノ・ピザによるキャンペーン終了後の発表が待たれます。

ドミノ・ピザによる公式見解

ねとらぼ編集部では、ドミノ・ピザに(1)店舗の人手不足と、(2)度重なるキャンペーンによる店舗への大きな負担についての認識と対策などについて問い合わせました。回答を一部抜粋して紹介します。

(1)店舗の人手不足「さらに人員を募集」

ドミノ・ピザは店舗の人手不足について、「各店舗において人員体制の強化について、かねてより取り組みを進めてきているところでございます。ただし、今後より一層人員体制の強化が必要であることも認識しております」とコメント

「これからもより価値ある新規キャンペーンをお客様にご提案することを計画しております。また、クリスマスシーズンも迎えます。さらに人員を募集し、研修の強化など、しっかりした施策を講じる予定です」と述べています。

サービス残業に関しては、「人事は常日頃から『勤務時間を正確に記録し、残業はしっかり申告するように』と全店舗に指導しております。また、内部通報制度を整備しており、クルーは誰でも問題があれば、この制度を利用して本社担当部署に問題を指摘できます。この指摘は匿名でできる仕組みとなっています」として、「ご指摘のようなことを含めて、違反事実が判明しましたら、厳しく改善を指導しております」としました。

(2)度重なるキャンペーン「普段以上の頑張りは把握。十分な体制に至っていない」

ドミノ・ピザは度重なるキャンペーンについて、「一部のキャンペーン実施時に、一部店舗においては人員体制が追い付かず、現場のクルーたちに普段以上の頑張りをしていただいていることは把握しています」「残念ながら、一部店舗では、人員体制強化の施策を講じてはいますが、まだキャンペーン時の対応などにおいて、十分な体制に至っていないところもあるのは事実です」と認めています。

特に「1枚買うと2枚無料」は「全店舗でこのキャンペーンは2回実施しましたが、いずれも予測をはるかに上回るご注文をいただいたために、一部店舗で十分対応しきれない事態を生じさせてしまいました」とのこと。

1回目については「クルーからも負荷が大きかったというご指摘を、社内SNSなどを通じて経営層に直接いただきました」として、「キャンペーン終了直後に社内SNSを通じて、経営層が全クルーに感謝と反省のメッセージを伝えるとともに、全クルーを対象に、経営陣との意見交換会を開催いたしました。そこで、しっかりと予測が不十分だったということをクルーに認め、改善することをクルーの皆様にお約束したところです」と述べています。

2回目については「ちょうど新型コロナの第7波が急拡大している時期と重なり、急なクルーの出勤不能(感染や濃厚接触などによる)が増えたことにより、強化したはずの人員の欠員が生じてしまったことも予想外の事態でした」と振り返り

「お客様の評価が高かった店舗やそのクルーに特別報償を出すことも実施しました。通常のキャンペーンでは実施していない措置です。お客様のご期待やクルーのがんばりに応えるため、当社として普段行わない対応をしたものです。多くの店舗クルーが好意的に受け止めていただき、キャンペーンをいっそう積極的に取り組んでいただけたこと、クルーに感謝しています」と述べています。

3回目については「予測を経営陣全体でしっかり見直すとともに、通常の1.3倍の人員を整え、お客様のご期待を裏切らない体制を整えることといたしました。また、万が一、予測を上回るご注文がキャンペーン開始後見込まれるときは、さらに人員を強化できるスタンバイもしているところです。人員が十分に整えば、クルーの負担は過度なものにならないと考えております」と見解を示しました。

画像は公式サイトより ※画像は実際に今回の騒動が起きた店舗とは無関係です

(出典 news.nicovideo.jp)

 

ドミノピザ(Domino's Pizza, Inc.)は、アメリカの宅配ピザチェーン店。2018年現在、世界で最も多く展開しているピザ販売企業。 1960年、アメリカのミシガン州イプシランティの学生街にあった「ドミニックス・ピッツァ」という小さなピザショップを、創業者のトーマス・S・モナハンが50…
20キロバイト (2,549 語) - 2022年8月16日 (火) 13:46

 

<このニュースへのネットの反応>

バズってよかったじゃん

 

解決したって書いた後の長文、お前ら解決させる気ないだろ

 

寿司屋と同じ末路ですねコレは

 

クルーの待遇改善とふざけたピザを作ることは全く別に解決すべき問題

 

この記事の横に「今日ピザにしませんか」とかいうドミノピザの広告出てて草。こんな記事読んだ後に誰が頼むねん

 

人員募集します。給料上げるとは言いません。とか?

 

アルバイトを無給で働かせていたら人員減少しそう。

 

キャンペーン中は配達可能区域も縮めてるよね。まあ田舎まで配達してる時間も余裕もないってことなんだろうけど。ドミノに限らず、客と直接やりとりする業種は物価高騰やら業績悪化を改善しようと上が変な事言い出したり、どこぞのコンサルタントに依頼してカモられて現場が更に混乱して疲弊しすぎてるのはある。客に嫌がらせするのは別問題だけど。

 

バイトが問題おこす会社は親会社もまともじゃないのがいつものパターン

 

キャンペーン乱発で運用に支障きたしてんのに、それを成立させる事(しかも労働者へ丸投げ)てしか考えてない。絵に描いたような無能だなこりゃ

 

結局はただのバイトテロでは?

 

普通に懲戒解雇どころか損害賠償レベルやな

 

社内の問題でのイライラを消費者に八つ当たりするのはまた別で問題だろ

 

会社のコメントがヤバいw

 

この記事の広告でドミノピザ2枚無料キャンペーンの広告が出ると言う地獄

 

『僕が辛いの好きなので、詫びに注文もされてないハラペーニョをどっさり乗せました!』これが苦し紛れのいいわけでなく、ガチの悪意無しでやる奴が飲食やってるって逆に怖くないか。

 

”ついカッとなって”やってしまった行為ならこういった言い訳が通じるけど、作って梱包して配達してと何段階も手間と時間をかけてるんだから思いとどまる機会はあるよな。それでもやってしまうってのはアルバイトの質の悪さが原因だよ。労働環境じゃない。

 

ピックアップ記事
おすすめの記事